2006年10月29日日曜日

話すための素材の選び方

 能登小教区主催の能登金剛禅大会が、かほく市の白尾公民館にて行われました。午前中にかほく市の出前講座の講師である大熊 玄(おおくま げん)先生の「やさしい道徳のお話 〜自利利他の心〜」というお話がありました。
 大熊先生のお話は、最初に子供達の関心を引きつけるために絵本を使っていました。私もその手を使ったことがありますが、つかみはバッチリです。
 そして感心したのは、もっと興味を引きつけるために絵本の中の話を題材に問題を出して答えさせていたことです。少しひねった問題だと子供達は色々と考えてくれます。
 しばしば想定していなかったような答えも飛び出します。下手をするとあまりに自由な答えに出題者が振り回されてしまいます。私も最初は、子供達の答えに振り回されてなかなか用意している答えにたどり着かない経験をしました。 大熊先生は上手にまとめていました。
 話し方のテクニックで、もう一つ感心したのは、題材と素材の選び方と結び付け方です。話す題材は誰でも考えるのですが、その題材に興味を向けてもらうためには、話を聞く側の興味を引く素材を結びつけてなければ話は面白くありません。具体的に言うと今回は、国民的認知度の「ドラえもん」を使っていました。題材は「自利利他」です。それを「ドラえもん」と言う素材で料理していました。
 のび太の目標は、りっぱな大人になることです。ドラえもんの目標は、のび太をりっぱな大人にする事です。二人の利害は、完全に一致しています。それぞれの目標を達成するように努力をするとどちらも勝者になります。負ける人がいません。この関係が「自利利他」です。
 のび太がりっぱな大人になるとドラえもんは未来からやって来ないかもしれません。ドラえもんが来なかったらのび太は、りっぱな大人になれないかもしれません。そうしたらやっぱりドラえもんが来て・・・。
 と言ういじわるなパラドックスの話は、横に置いておきましょう。
 自分が話す時の事を考えながら人の話を聞くのは、大変参考になります。つまらない話は、素材の選び方と料理のしかたがいまいちなのでしょう。聞く人の興味を引くテクニックはこれからも磨いていきたいと思います。