2007年6月10日日曜日

命のつながり

 第3回七尾市民体育大会少林寺拳法競技終了後、少林寺拳法創始60周年のお話をしました。
 何故、開祖が60年前に少林寺拳法を始めようとしたのか?
  「動機と目的について」
 60周年のテーマ「ありがとうこの命、ありがとうあなたとの出会い」について
 「いのちのまつり ヌチヌグスージ」(草場一寿/作 平安座資尚/絵)という絵本を使って 命のつながりについて説明してみました。
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 自分が存在する為には、お父さん、お母さんの2人がいなければ生まれてこなっかた。お父さんとお母さんは自分にとってはご先祖様だ!
 そのお父さんとお母さんを生んだのは、おじいちゃんとおばあちゃん!2人づつだから合計で4人。そのまた おじいちゃんとおばあちゃんは、8人。そのまた おじいちゃんとおばあちゃんは、16人。 おじいちゃんとおばあちゃんは、32人。ここまでで、すでにご先祖様は、62人もいる!
 そのまた、おじいちゃんとおばあちゃんはと考えていくと、自分が存在する為には過去に沢山のご先祖様がいたおかげであり、だれか一人が欠けても自分は存在しないことに気づく。もっともっとさかのぼっていくと、地球に生命が誕生したのが35億年前と言われているが、そこから始まって、現在の地球上の多様な生命にまでつながっている。
 そして、現在の自分の命は、将来の子孫が存在するために必要である。
 命のリレーが繰り返されている。
 自分だけの孤独な命はありえない。過去から未来に向かってつながっている命の存在に気づこうではないか。気が付いたら「ありがとうこの命」と言うテーマが自然と理解できたのではないでしょうか?
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 これは諸行無常(しょぎょうむじょう)の面を表しているのだと思います。川の流れは変化していないように見えるけれど、それを構成している水は常に変化している。
 自分の体を考えても、毎日細胞が入れ替わっている。つまり生まれて、死んでいっている。常に入れ替わっているのに自分という存在はある。但し、少しずつ変化していっていますが、「老化」と言う形で。
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 「ありがとうあなたとの出会い」は、例えば
「今、先生です。支部長です。」と言っていられるのは皆さんがいるからです。一人だけで「先生です。支部長です。」と言っても滑稽なだけです。つまり自分一人だけであるわけではありません。必ず他との関わりが有るわけです。私が少林寺拳法を始めた切っ掛けをもらった先輩がいます。途中で止めずに続けて来られたのも多くの仲間がいたからです。
 現在の自分があるのは、多くの仲間と現在の皆さんの存在が無ければありえません。感謝をしています。皆さんも今日は演武を行いましたが、相手がいなければ演武を行うことは出来ませんでした。練習すらできません。大切な相手なのですからお互いに感謝しましょう。
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 これは、諸法無我(しょほうむが)のことではないでしょうか?諸行無常が過去から現在、そして未来についての連続性を表しているとすると、諸法無我は、現在の横への連続性、関係性を表しているのだと思います。
 時間軸と空間軸での連続性、関係性から自分という存在を考えると「生かされている自分」に気が付くのではないでしょうか。それが涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)の世界なのかもしれないと私は考えています。
 諸行無常、諸法無我、涅槃寂静が仏教での三法印です。仏教の世界観を表していると解説されています。そこから何を読みとるかは人それぞれかも知れませんが、私は、60周年のテーマ「ありがとうこの命、ありがとうあなたとの出会い」を聞いて三法印を思い浮かべました。