
2026-10-5 達磨大師と少林寺拳法との関係
縁起物の「七転び八起き」の置物で広く知られる達磨(だるま)大師。実は少林寺拳法において、達磨大師は単なる歴史上の人物や拝む対象ではなく、教えと修行法を現代へと受け継ぐ「祖師(そし)」として大変大切に尊ばれています。
今回は、少林寺拳法と達磨大師の歴史的な関係や、毎年秋に行われる儀式「達磨祭(だるままつり)」の意義について分かりやすく解説してみようと思います。
1. 達磨大師と少林寺拳法の歴史的な関係
今から約1500年前、インドから苦難を乗り越えて中国へ渡った達磨大師は、嵩山少林寺(すうざんしょうりんじ)に入り、釈尊(お釈迦さま)の正しい教えを伝えました。その際、静かに自らの心を見つめる「坐禅」とともに、身心を健康に鍛える「易筋行(えききんぎょう)」や「阿羅漢の拳」という心身一体の修行法を人々に伝えたとされています。
時代が下り、少林寺拳法の創始者である宗道臣(そう どうしん)開祖は、戦後の混乱期に中国の嵩山少林寺を訪れた際、白衣殿の壁画に描かれた僧侶たちの演武図(「羅漢錬拳の図」)を目にしました。開祖は、達磨大師が遺した「身心を共に整え、互いに技を楽しみながら向上する」修行の精神に深く感銘を受けました。
帰国後、1947年(昭和22年)に香川県多度津町において、現代人の人づくりと平和な社会づくりに役立つ行法として編み出されたのが「少林寺拳法」です。達磨大師は、釈尊の教えを開祖へ、そして現代の私たちへとつなぐ「重要な橋渡し」の存在なのです。
2. 「達磨祭(だるまさい)」の意義と目的
少林寺拳法の各道院や支部では、毎年10月5日(達磨大師の命日とされる日)またはその前後に「達磨祭」という大切な儀式を執り行います。
達磨祭では、祖師の遺徳を偲び、感謝を捧げる 苦難に負けず正しい教えと心身の修行法を伝えてくれた祖師・達磨大師の足跡に思いを馳せ、敬意と感謝を表します。
「拳禅一如」の修行への精進を誓い合う 単に勝ち負けを競う武道ではなく、身体と心を共に鍛える「易筋行(少林寺拳法の修練)」に、これからも真剣に取り組むことを祖師の前で誓い合います。
3. まとめ
少林寺拳法が「技の練習(体)」と「教えの学び(心)」を共に重んじる「拳禅一如」は、達磨大師が示した伝統と精神が根底にあるからです。
倒れても何度でも起き上がる「不屈の精神」と「思いやりの心」を育む節目として、達磨祭は拳士たちにとって原点を確かめ合う大切な行事となっています。











